2010年10月6日水曜日

DNPグループ、図書館向けに紙と電子の書籍融合したサービス提供

  大日本印刷(DNP)は10月4日、子会社のCHIグループと共同で、今月から、図書館向け電子図書館サービスを開始すると発表した。電子図書館に必要な機能・システムから、利用できる書籍のデジタル化、使用許諾、配信までを一括提供するもので、DNPグループが推進する、紙と電子の両方の書籍を提供する「ハイブリッド型出版流通事業」の一環としている。

  サービスの内容は、図書館利用者向けの電子書籍の貸出・閲覧や、図書館保有の郷土資料、貴重書などをネット上に公開し、閲覧可能にすることの支援などで、図書館の紙の書籍の検索や貸出予約も可能としている。

  具体的には、各図書館の貸出システム上で、読みたい書籍のタイトルや、検索キーワードを入力し、該当書籍を紙か電子書籍のどちらかを選択する仕組みで、利用者は、自宅のパソコンからサービスの利用が可能で、各図書館のサイトにアクセスし、会員IDとパスワードを入力して、電子書籍を検索・閲覧でき、貸出処理により、紙の書籍と同様に一定期間、特定のタイトルを閲覧することも可能としている。2011年度には、読書専用端末やiPadなどの携帯端末も利用可能にするという。

  販売は、主に公共図書館はCHIグループのTRCが、大学図書館は同じく丸善が担当。電子図書館サイト構築・運用のASPサービスの価格は、月額利用料5万円からで、利用者数によって変化する。図書館向け電子書籍コンテンツの販売は、1タイトルに1ライセンス与えられる「都度購入方式」で、紙の書籍購入と同様に、購入数分の価格を支払い、同時に同数の電子書籍の貸出が可能となるという。

  両社は、今後、出版社などの協力を得て、ビジネス書、専門書を中心に、和洋1万タイトル以上の電子書籍コンテンツを揃え、電子図書館サイトの普及、利用拡大を働きかけて、電子図書館関連で5年後に500館導入、20億円の売上げを目標にするとしている。

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