2010年1月28日木曜日

キヤノン通期、営業益56%減 今期は回復へ

~キヤノンの09年1~12月期の営業利益は前期比56.2%減の2170億円。不況と円高が響く~

 キヤノンが1月27日に発表した2009年1~12月期の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前期比56.2%減の2170億円に落ち込んだ。不況と円高が響いた。売上高は21.6%減の3兆2092億円、税引き前利益は54.4%減の2193億円、純利益は57.4%減の1316億円。

 不況の影響などでオフィス向け複合機や半導体用露光装置の需要が落ち込んだほか、コンパクトデジタルカメラも需要低迷と価格下落で不振。デジタル一眼レフカメラは海外を中心に堅調だった。

 今期の業績見通しは、売上高が前期比7.5%増の3兆4500億円、営業利益が52%増の3300億円、税引前利益が45.9%増の3200億円、純利益が51.9%増の2000億円。オフィス向け機器や、デジカメ、個人向けプリンタなどで需要回復を見込んでいる。

 <オセの今期連結化は予定通りに>
 プリンター欧州大手のオランダ・オセを買収し、今期中にも連結子会社化する計画。ただ、世界各国の独占禁止法当局の認可を条件に公開買い付け(TOB)する予定のため、今期の連結業績予想には、オセの業績は反映していないという。
 当初は1―3月にもTOBを開始する意向を示していたが、大澤常務は「予定通りに(準備を)進めている」と述べた。TOB価格は1株あたり8.6ユーロだが、一部株主が不満を示している。大澤常務は「TOB価格は適正だ」として、価格を変更する意向はないと強調した。

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