富士ゼロックス株式会社は1月28日、ERM(エンタープライスリスク管理)、BPM(ビジネスプロセス管理)の機能を備えた内部統制支援ソフトウェアの新版「Apeos PEMaster 2.0シリーズ」を発表した。3月中旬の発売を予定する。
Apeos PEMaster 2.0シリーズは、企業の業務改革を通じ、企業体質強化を支援するためのソフトウェアで、全社のリスク管理活動と業務プロセスの見直し・効率化を推し進められるという。従来版では、日本版SOX法(金融商品取引法)などへの対応を支援するための、財務リスクを可視化する機能などを備えていたが、新版では、企業の改善活動を一元的にモニタリングする機能や、業務の見える化を実現する機能などを搭載。全社視点でリスク、無駄の所在を明らかにすることで、継続的な全社業務改革・企業体質強化活動を行えるようになった。
製品は、役割別に5つのソフトウェアが用意された。そのうち「Apeos PEMaster PDCA Manager 2.0」は、現場とのコミュニケーションを通して現状を可視化し、顕在化した課題が解決するまでのPDCAサイクル管理を行える製品で、一連の継続的改善活動を支援する基盤となる。
2つ目の「Apeos PEMaster Evidence Manager 2.0」は、企業の内部統制にかかわる、証跡や証憑(しょうひょう)を管理する文書データベース。企業活動におけるあらゆる文書を管理・格納可能で、明確に定義できないプロセスを、ワークフロー上で1つのアクティビティとして定義したり、打ち合わせや問い合わせのやりとりを可視化・分析して、業務改善を図ったりすることができる。
証跡や証憑類に文書名や属性を付与して電子化し、Evidence Managerなどの文書データベースへ効率的に格納する作業は、「Apeos PEMaster Evidence Entry 2.0」を利用して行う。紙文書の電子化についても、デジタル複合機「ApeosPort」との連携によりスムーズに行えるという。
また、証跡や証憑類が確実に格納されているか、といった確認を行うのが「Apeos PEMaster Evidence Tracker 2.0」。個々の業務プロセスで発生した文書の登録状況をグラフィカルに表示可能なため、業務の流れや進ちょく状況を直感的に把握できる特徴を持つ。さらに、日々の活動の証しとなる証跡や証憑類を収集して一括提示可能なことから、説明責任が生じた場合も、速やかに対応できるとのこと。
最後の「Apeos PEMaster Manual Weaver 2.0」は、業務マニュアルや社内規定などの作成や公開を行える製品。この製品のみ、2009年11月より販売が開始されている。
富士ゼロックスでは、これらのソフトウェアとSEサービスを組み合わせ、金融、製造、商社、サービス、官公庁など、各業種・業務に適したソリューションを提供する考え。価格は、Apeos PEMaster PDCA Manager 2.0が200万円(税別)から、同 Evidence Manager 2.0の基本パッケージが305万円(税別)から、同 Evidence Entry 2.0が40万円(税別)から、同 Evidence Tracker 2.0が100万円(税別)から、同 Manual Weaver 2.0が300万円(税別)から。このほかクライアントライセンスも必要で、10ユーザーが20万円(税別)、50ユーザーが90万円(税別)、250 ユーザーが300万円(税別)、などとなっている。
Apeos PEMaster 2.0シリーズの対応環境は、サーバー側がWindows Server 2003/2008で、Microsoft Office 2007、Docuworks 7.0なども必要となる。クライアント側の対応環境は、Windows XP Professional/Vista Businessで、IE6以降のWebブラウザと、Microsoft OfficeやFlash Playerなども必要。
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