中国の温家宝首相は14日の記者会見で、景気が再び悪化する二番底のリスクに言及し、当面は景気に軸足を置いたマクロ経済政策運営を続ける考えを強調した。不動産価格の高騰で「バブル対策」を求める声は日ごとに強まっているが、利上げや人民元相場の切り上げ再開といった本格的なバブル退治に踏み出す時期は読みにくくなっている。
温首相は回復の兆しが表れている世界経済の先行きに強い懸念を表明した。失業率の高止まりやギリシャの経済危機などを念頭に「経済の回復傾向が反転し、二番底を探る可能性すらある」と指摘。足元で好調な中国経済も、世界経済が再び減速すれば「無関係ではいられない」と訴えた。
中国人民銀行(中央銀行)は1月以降、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を2度にわたって引き上げた。市場では「中国が政策を平時の状態に戻す『出口』に向かい始めた」との憶測が広がる。
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