デジタルカメラ各社が新しい戦略を打ち出している。
キヤノンは拡大戦略を遂行。長崎県に開所した工場の生産能力を4―5年後に2010年比2・6倍に増強する。受託生産大手である台湾の佳能企業(アビリティー)は中国江西省に工場を新設する。一方で、富士フイルムが基幹部品の製造を外部委託するなど構造改革を継続する会社も少なくない。価格下落や需要変動の激しい市場だけにコスト構造の改善を急がないと、メーカー間の収益格差は解消されそうにない。
キヤノンが今月開所式を行った長崎キヤノン(長崎県波佐見町)は10年に一眼レフ、コンパクト型合計で230万台を製造する計画だ。4―5年かけて段階的に生産能力を増強し、最終的に600万台規模にする方針だ。人員も同74%増の1500人に増やす考え。一方で、為替変動の影響を抑えるため、中国・珠海にあるデジカメ工場への増産投資も検討する。
日刊工業新聞
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