富士通はカラー印刷をする時のインク使用量を30%程度削減できるシステムを開発した。従来は赤、黄、青の3色を重ねることで表現していたグレーの色味を、ほとんど変えることなく黒色の濃淡主体で表現する。9月をメドにソフトウエアを商品化し、印刷会社や新聞社にコスト削減対策として売り込む。
子会社の富士通研究所(川崎市)と共同開発した。カラー印刷のために写真などの原稿を赤、黄、青、黒の4色に分解してデータを作成する際に、新開発のソフトを使うと、最大限黒に置き換えるよう自動調整される。印刷機やインクの種類で色の再現性に違いが出るのを防ぐ技術と組み合わせ、色味への影響は肉眼では違いが分からないレベルに抑えたという。
すべての色は赤、黄、青でほぼ再現できるが、3色の配合で出していたグレーの成分を黒でできるだけ代替し、インクの総使用量を減らす。削減率は原稿によって異なるが、実証試験では約4割のインクを減らせたケースもあったという。
黒のインクが他の色よりも安価なのも利点。インク使用量の削減により、印刷後に必要な乾燥時間が短縮され納品を迅速化できる効果もある。
日経新聞
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