米事務機器大手ゼロックスは、最近買収した米情報技術(IT)サービス大手アフィリエーテッド・コンピューター・サービシズ(ACS)の成長を促すために、自らの販売経路を使用する計画であることを明らかにした。ゼロックスはこの戦略の成功事例として、米家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)との新たな取引を挙げている。
ASCのリン・ブロジェット社長は4日にニューヨークで行われた投資家との会議で、同社は3月、ゼロックスとの合併の結果得られた最初の取引として、P&Gの従業員向け福利厚生管理業務を獲得したことを明らかにした。P&Gの広報担当によると契約期間は5年。
ブロジェット社長によると以前からゼロックスの顧客であるP&Gは、過去にACSとの契約締結を拒否しており、今回の取引締結はゼロックスの傘下に入ったことが奏功したためだという。
ゼロックスのジマーマン最高財務責任者(CFO)は、ACSはゼロックスとの提携によって、今後6カ月間で5億ドル(約470億円)規模の取引を獲得する可能性があると述べた。
また同CFOによると2月の買収以降、ゼロックスは200名のアカウントゼネラルマネジャーにゼロックスとASCの両方の製品・サービスを販売するための研修を実施した。さらに来月は欧州でも100名のマネジャーを対象に同様の研修を行う予定だという。
ゼロックスはASC買収によるシナジー効果として、初年度に最低でも1億ドル、3年目までに3億7500万ドルの利益を見込んでいるとしている。
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