オフィス用品通販大手のアスクルは中国事業を拡大する。従来中国では上海市内だけでオフィス用品を配送していたが、7月末から蘇州市や南京市など、上海を起点に半径300キロメートル圏内に範囲を拡大する。2010年5月期のアスクルの中国向け通販事業は約7億円の営業赤字だったが、顧客企業を増やして売り上げを伸ばし、12年5月期には黒字化をめざす。
上海市内の物流拠点から商品を配送。日本と同様に翌日中に届くようにする。アスクルの10年5月期の売上高は前の期比0.8%減の1889 億円。顧客企業の経費節減の影響で国内市場が伸び悩むなか、中国事業を強化する。11年5月期に中国での通販事業の売り上げを前期比2倍強に押し上げる計画だ。
アスクルは07年に中国に現地法人、愛速客楽上海貿易公司を設け、通販事業を開始した。物流作業などの熟練度が高まり、営業領域の拡大が可能と判断。上海だけでなく蘇州、南京にも企業が集積しており、有望市場とみて開拓する。
日経新聞