980億円で ITサービス会社へ転換加速
米デルは16日、外部記憶装置(ストレージ)メーカーの米3PAR(スリーパー、カリフォルニア州)を11億5000万ドル(980億円)で買収すると発表した。3PARは、インターネット経由で機能やソフトを提供する「クラウドコンピューティング」に必要な高精度なストレージを手掛けており、デルは買収でクラウド事業強化を狙う。パソコンメーカーからIT(情報技術)サービス会社への転換を加速する。
両社取締役会が承認した合意内容によると、デルは3PAR株式の公開買い付け(TOB)を実施し、1株18ドルで買い取る。2010年内に買収を完了し、デルは3PARをストレージ部門に統合する。買収後もストレージ開発や販売への投資を継続するとしている。
デルはパソコンの直接販売で1990年代に急成長し、一時は世界最大手となったが、競合他社もEMS(受託製造サービス)の活用などを進めて対抗。デルの業績は低迷していた。ここ数年はパソコン専業から脱却を進めており、昨年は情報処理サービス会社の米ペロー・システムズを約39億ドルで買収。ITサービス事業への傾斜を強めている。
3PARは1999年設立。カリフォルニア州フリーモント市に本社を置き、10年4~6月期の業績は売上高が前年同期比22%増の5426万ドル(46億3000万円)、最終損益は184万ドルの赤字(前年同期は179万ドルの赤字)だった。
日経新聞
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