王子製紙は1日、ラオスで実施している植林事業を南部5県にも拡大すると発表した。現地子会社を今月設立し、3万ヘクタールで植林を行う。原料となる木材チップの安定確保などにつなげたい考えだ。
同社は1990年代から本格的に海外植林に乗り出し、すでにオーストラリア、ベトナム、中国など7カ国の約20万ヘクタールで実施。ラオスでは南部で2005年から開始し、面積は2万5000ヘクタールに達している。
今回の植林では、同国南部のチャンパサックなど5県で、焼畑農業などで荒廃した土地2万5000ヘクタールに、40年にわたり成長の早いアカシアとユーカリの木を植える。また地域住民に苗木を提供し、育ててもらった植林木を買い取る「農民植林」も5000ヘクタールで実施する。
少子高齢化などにより内需拡大が見込めない中で製紙各社は海外展開を加速しており、同社も中国・南通市に生産工場を建設中。同社は今後の原料需要増加に備え、ラオスを「アジアでの木材チップ供給の最大拠点」としていきたい考えだ。
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