2010年6月30日水曜日

コニカミノルタ、10年4~6月期営業益110億円 海外販売回復

 コニカミノルタホールディングスの2010年4~6月期の連結営業損益は110億円前後の黒字(前年同期は5億8900万円の赤字)になりそうだ。主力の欧州や中国など新興国で事務機の販売が回復しているほか、液晶パネル用部材の出荷が好調。工場稼働率の上昇で製造コストも下がっており、期初の計画を上回って推移しているとみられる。

 売上高は前年同期比3%増の1950億円前後になりそうだ。対ユーロで円高になり売り上げが目減りした分を事務機などの拡販で吸収し、増収を確保したとみられる。

 主力の事務機部門は国内を除く海外のほぼ全地域で、販売が前年実績を上回っている。業績改善で企業のIT(情報技術)投資意欲は緩やかに回復。事務機の引き合いも増えている。欧州では4~5月の販売台数が前年同期と比べ約2割増えている。ギリシャの財政問題の深刻化をきっかけに欧州では景気減速が懸念されているが、今のところは業績に影響が出ていないようだ。新興国でも低価格のモノクロ機が伸びている。

 光学関連部門では、液晶パネル用の偏光板保護フィルムが計画を上回る出荷量で推移している。世界的に液晶テレビの販売が伸びており、同フィルムの出荷も好調だ。同社は今年秋の予定だった新生産ラインの稼働を5月に前倒しして、商品出荷を始めている。

 10年4~9月期の営業利益は前年同期比2.2倍の210億円、11年3月期は前期比14%増の500億円と見込んでいる。為替の前提は1ドル=90円、1ユーロ=120円。10年4~6月期業績は、会社の期初想定を上回っているもようだが、先行きについては不透明な要素も多く、従来予想を据え置く公算が大きい。

 対ユーロの為替感応度は1円の円高で7億円の営業減益(年間ベース)となる。足もとの為替は期初想定よりも円高水準で推移しており、7月以降は為替前提の見直しが避けられない。連結売上高の約3割が欧州向けで、今後、欧州景気が失速した場合、販売に影響が出る可能性もある。

日経新聞
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