キヤノンの全額出資会社でデジタルカメラを生産する大分キヤノン(大分県国東市、村野誠社長)は12月までに、中国の下請けメーカーから調達した部品の仕分け作業を現地へ全面移管する。現在は中国製部品の約7割をキヤノンの現地拠点で仕分けしているが、残り約3割は門司港(北九州市)周辺で仕分け、九州各地の拠点に配送している。中国への全面移管で物流コストを削減できるという。
大分キヤノンは、中国の下請け約30社にストロボ関連や外装カバーなど約2千数百点の部品の生産を委託している。そのうち約7割はキヤノンの海外部品調達会社、キヤノンエンジニアリング香港が中国・深センの拠点で九州の工場ですぐに使えるように仕分けしてから門司港に輸送している。
残りの約3割の部品は、香港から船で門司に輸送、港近くに借りた専用倉庫で仕分け作業を外部に委託していた。大分キヤノンはこのほど中国拠点の人員の仕分け作業の習熟度が高まったことを受け、現地への全面移管に踏み切ることを決めた。
中国で仕分けされた部品は門司に到着後、コンテナに積んだまま大分キヤノンの県内の2工場(国東市、大分市)のほか宮崎ダイシンキヤノン(同県木城町、樋口二郎社長)や長崎キヤノン(同県波佐見町、若狭央幸社長)に供給する。
部品仕分けを中国拠点に一本化することで、現在は門司港から週3回、九州の4つの生産拠点に運んでいたのが週2回になる。また、門司港で外部委託していた仕分け作業は数十人必要な時もあり、大分キヤノンでは生産効率向上とともに物流コスト削減も期待できるとみている。
日経新聞
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