キヤノンが2010年12月期のデジタルカメラ販売計画を上方修正する。レンズ交換式のデジタル一眼レフを従来計画より約50万台上積みし、全体で前年比9.5%増の2640万台程度とするもようだ。上方修正は今期に入って2度目。世界需要の伸びを上回る販売攻勢で、デジカメ世界首位の地位を固める。
一眼レフは年初計画が470万台だったが、4月に490万台に修正。今回は540万台程度とさらに1割上乗せする。一眼レフの前年比伸び率は22.7%増となる。需要が頭打ちになっているコンパクト型は前年比6.6%増の2100万台と年初計画を据え置く。
2月に発売した初心者向けの一眼レフ「EOS Kiss X4」が世界各地で想定以上の伸びを示しており、上級者向けの「5Dマーク2」や「7D」も堅調に推移している。
地域別では経済の先行きに不透明感がある欧州でも需要は底堅く、全世界的に販売増を見込んでいる。特に中国や東南アジアの伸びが大きくなるもようだ。
カメラ映像機器工業会(CIPA)は、2010年のデジカメ世界需要(出荷台数ベース)が3.8%増の1億990万台になると予測。このうちレンズ交換式のデジタル一眼(ミラーレス一眼を含む)は11.1%増の1100万台を見込む。キヤノンの販売計画は市場全体の伸びを大きく上回る見通しだ。
日経新聞
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