シャープは20日、電子書籍事業に年内にも本格参入すると発表した。タブレット型の電子書籍用端末を発売するほか、出版社などに幅広く連携を呼びかけて電子書籍の制作支援や配信サービスも始める。アップルの高機能端末「iPad」などに対抗するビジネスモデル作りを目指す。
都内で記者会見した大畠昌巳執行役員は「(シャープの電子書籍規格を使えば)魅力的なコンテンツを手間なく素早く電子化できる。電子書籍ライフに革新を起こしたい」と話した。
端末の詳細については後日あらためて発表する。同日の記者会見では液晶パネルのサイズが5.5型と10.8型の試作機2機種を披露した。電子書籍事業は国内のほか米国など海外市場でも展開する。
コンテンツは日本経済新聞社のほか、電子書籍出版社協会に加盟する出版各社などが提供する予定。
シャープは2001年、自社の携帯情報端末「ザウルス」向けに電子書籍事業を開始。この際に開発した電子書籍規格「XMDF」は国際標準にも採用され、現在、携帯電話など7000万台以上に使われている。文字や写真だけでなく動画や音声も盛り込める新機能をこのほど開発。新端末の投入により電子書籍の普及に弾みを付けたい考え。
日経新聞
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