カシオ計算機の2010年4~6月期は、連結営業損益が25億円前後の黒字(前年同期は74億円の赤字)になったようだ。営業損益が黒字になるのは08年7~9月期以来、7四半期ぶり。国内外で腕時計や電子辞書など利益率の高い商品の販売が好調に推移。デジタルカメラ事業の損益も改善した。
売上高は10%増の900億円前後になったとみられる。腕時計事業では、世界の主要都市で販促イベントを展開。その効果でデジタル腕時計「Gショック」などカシオ製品を取り扱う小売店の数が増え、米国を中心に売り上げが伸びた。電子辞書もカラー化などが奏功し、増収になった。
デジカメ事業の売上高は新製品が少なかったことが響き、横ばいにとどまったもよう。ただ、前期に新製品の開発投資を前倒しで実施したため、今期は開発負担が軽くなり、部門損益は改善した。6月からNECなどとの資本提携で連結対象外になった携帯電話機事業は、会社の想定通り20億円程度の赤字が残った。
4~6月期の業績はほぼ会社計画通りだったもよう。150億円の営業黒字(前期は293億円の赤字)を見込む11年3月期通期の業績予想は据え置く公算が大きい。
日経新聞
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