2010年5月25日火曜日

シンガポール、第1四半期GDP成長率、過去最高の15.5%に

通産省は5月20日、第1四半期(1~3内総生産(GDP)は前年同期比15.5%増加したと発表した。前期比では38.6%の増加で、いずれも増加率は過去最高。製造が成長けん引した。

通産省は成長の要因として、◇米国経済の回復◇アジアの持続的成長予想◇世界的電子機器需要の増大――を挙げた。

しかし最大の輸出市場である欧州連合(EU)の複数の国における財政危機、アジアで進行している資産価格の高騰という2つのリスク要因があるとの理由で、通年の成長率目標(7~9%)を引き上げなかった。

メノン次官は「欧州の危機が深刻化しなければ、世界的経済の回復から考えて、目標を上回る成長も可能だ」との見通しを示した。しかし危機が悪化し、国際通貨・金融市場が混乱すれば、シンガポールも影響を受けるという。

UOB銀行のエコノミストによれば、EUのGDPが1%縮小すれば、シンガポールのEUへの輸出は2.8%の減少が見込まれる。また対シンガポールドル相場でユーロが1%下落すれば、EUへの輸出は1.6%の減少が予想されるという。

EUが不振に陥れば、米国、アジアへの中間財輸出も影響を受ける。これら中間財の一部は完成品となってEUに輸出されるからだ。


GDPの基準年を変更
通産省はGDPの基準年を2000年から2005年に変更した。今後は05年価格で表示されることになる。この方式で計算すると、昨年のGDPは前年比 1.3%の縮小(従来方式では2%の縮小)になる。

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