ソニーは凸版印刷などと共同で米アップルへの対抗軸を形成する。アップルが国内で多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を発売する前日の発表。ソニーが抱くアップルへの対抗心だけでなく、国内の出版・新聞業界がアップルなどに電子書籍のデファクトスタンダード(事実上の標準)を握られることへの反発も「日の丸連合」の誕生を後押しした。期待ばかりが先行してきた国内電子書籍市場で日本メーカー主導のビジネスモデルを構築できるか注目だ。(3面参照、11面に関連記事)
27日の4社合同記者会見は慌ただしさに満ちていた。講談社など出版社数社の賛同を得るにとどまり、コンテンツの値付けや売り上げ配分も固まっていないままの発表。「市場が一気に立ち上がる時期だった」(米ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫シニア・バイス・プレジデント)と今回の発表のタイミングを説明するが、アップルへの対抗意識があったのは明らかだ。
日刊工業新聞