キヤノンが示したオランダの業務用プリンタメーカー、オセに対する株式公開買い付け(TOB)の成立が危うくなる可能性が出てきたと一部で報じられている。TOBに応じない意向をこれまでに示したオセ株主は全体の13%に上っているほか、約200人の投資家で構成するグループはTOB価格が低過ぎると主張した。
オセ株の3.3%を保有する英資産運用会社ハーミーズ・フォーカス・アセット・マネジメントは11日、キヤノンの提示額が「十分でない」として、TOBに応じない方針を明らかにした。約10%を保有する英投資ファンド、オービス・ファンズも昨年11月に買収に反対している。株主211人を代表するグループVEB(保有比率約0.003%)は先の会合でTOB価格が低過ぎるとの判断を示した。
反対する株主がさらに増えた場合、キヤノンは価格の引き上げか、TOB成立とみる水準をオセの発行済み株式の85%未満に引き下げることが必要となる公算が出てくる。
キヤノンは昨年11月、オセを現金約7億3000万ユーロ(約960億円)で買収することで合意。同月16日に、前営業日の終値に70%のプレミアムを付けた水準である1株当たり8.60ユーロでオセ株を買い付けると発表した。
キヤノン広報は報道について12日、TOB価格は適正で計画に変更はないと説明した。
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