東洋インキ製造が17日発表した2010年3月期連結決算は、最終損益が65億円の黒字(前の期は38億円の赤字)だった。工業用接着剤や液晶材料など高機能材料の販売が好調。本社管理部門のスリム化など年間66億円の固定費削減も寄与した。
連結売上高は6%減の2260億円、営業利益が3.6倍の133億円。中期計画の11年3月期目標(130億円)を前倒しで達成し最高益を更新。業績回復で年間配当は従来予想の9.5円から10円に引き上げた。
業績のけん引役はエレクトロニクス分野向けの高機能材料だ。太陽電池のバックシート用接着剤が政府の導入助成策などを追い風に販売が拡大。液晶パネルのカラーフィルター材料となるレジストインキも回復した。
11年3月期は連結売上高が前期比11%増の2500億円、営業利益は5%増の140億円を見込む。中国など新興国で印刷インキの販売が回復。ナフサなど原材料価格の上昇は重荷となるが、高機能素材の拡販で補う。純利益は7%増の70億円で年間配当は11円と1円増やす。
日経新聞
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