米ディスカウント小売大手、ウォルマート・ストアーズの2010年2-4月期(第1四半期)の売上高の伸びは抑制され、米景気の回復を背景に消費者がより高級な小売店にシフトしている可能性が示唆された。リセッション(景気後退)時には、消費者が割安な商品に目を向けるなか、ウォルマートは他の多くの小売店よりも堅調だった。しかし現在では、他の小売店が第1四半期の売上高の回復を示すなか、ウォルマートの米国での売上高は低調だった。
2-4月期のウォルマートの米国内既存店(1年以上営業している店舗)売上高は、4四半期連続で減少した。さらに、同社が示した5-7月期(第2四半期)見通しも、夏場の苦戦を示唆するものとなった。
また、2-4月期に始めた積極的な価格戦略の影響が見られ始め、粗利益率は24.6%と、前年同期の24.7%から若干低下した。
同時に、ウォルマートの中心的な顧客は、期待されたほど急速に消費を回復していないもよう。ウォルマートのマイク・デューク最高経営責任者(CEO)は、「特に米国では、当社顧客の間で引き続き、家計や失業に加え、燃料費の上昇に対する懸念が根強い」との見方を示した。
さらに、ウォルマートの2-4月期業績は、同社にとって米国外の事業がどれほど重要になっているかを示している。ウォルマートの国外事業部門の売上高は前年同期比21.4%増加した。
ウォルマートの2-4月期の純利益は33億2000万ドル(約3071億円、1株当たり0.88ドル)と、前年同期の30億2000万ドル(同0.77 ドル)から増加した。同社は2月に、同期の1株当たり利益が0.81-0.85ドルとの見通しを示していた。
2-4月期の売上高は前年同期比5.9%増の991億ドル。アナリスト予想は984億5000万ドルだった。
燃料を除く米既存店売上高(傘下のチェーン店を含む)は前年同期比1.1%減少した。ウォルマートの名称を有する店舗の既存店売上高は1.4%減少した。
5-7月期の同社の1株当たり利益見通しは0.93-0.98ドル。また、米国内の既存店売上高については、前年同期比2%減-1%増との見通しを示した。
ウォールストリートジャーナル
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