セイコーエプソンの2011年3月期の連結営業利益は300億円弱と、前期推定の200億円弱から5割程度増えそうだ。主力のプリンター事業の出荷が増えるほか、電子デバイス事業の赤字幅が縮小する。前期に計上した繰り延べ税金資産の取り崩しもなくなり、最終損益は大きく改善しそうだ。
売上高は1兆円強と前期推定の9900億円弱から微増となり、5期ぶりに増収となりそう。前期は1997年3月期以来13期ぶりに売上高が1兆円を割り込んだが、景気回復を追い風に再び大台を確保する。
プリンター事業は主力のインクジェットプリンターで本体と消耗品の出荷増を見込む。収益性の高い法人向けプリンターも拡販する。業績が低迷する電子デバイス事業は、中小型液晶ディスプレー事業を譲渡したことで営業赤字幅が縮小する見通しだ。
最終損益は3期ぶりに黒字転換する可能性が高い。電子デバイス事業の再編に伴う関連損失を特別損失に計上する公算が大きいが、前期推定の 200億円程度の最終赤字から一転、黒字を確保する見通しだ。
日経新聞
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