2010年4月19日月曜日

マレーシア経済研究所、今年の経済成長予想を5.2%に上方修正

マレーシア経済研究所(MIER)は15日に発表したリポートの中で、消費意欲やビジネス意欲が改善しているとして、今年の国内総生産(GDP)成長率予想を3.7%から5.2%に上方修正した。世界経済の回復と農産品価格の上昇も影響するだろうとしている。

MIERの最新予想値は、中央銀行バンク・ネガラの4.5—5.5%との予想とも符合している。MIERは2011年については、5%との従来予想を維持した。

MIERは、通年で0.8%の成長にとどまった昨年の個人消費は第4四半期には1.7%上昇するなど堅調な消費者心理と労働市場に支えられて回復していると指摘し、今年通年は5.6%、来年は6.8%と予想。今年の輸出及び輸入については、それぞれ8.2%、8.8%の成長を予想している。

セクター別では、世界的に農産品価格の上昇が見込まれ、中国やインド、欧州でのパーム油需要拡大が予想される農業は2010、2011年にそれぞれ 2.6%、2.2%成長すると予想。半導体の世界的需要拡大が見込まれる製造業については、それぞれ6.2%、3.4%と予想している。
消費者物価については、今年2.2%の穏やかな上昇を示すと予想。翌日物政策金利(OPR)については、コア物価が物価全体より早いペースで上昇していることから年内に2.7%まで引き上げられ、来年には景気拡大にともなって3.25%まで引き上げられると予想している。中央銀行バンク・ネガラは3月、 OPRを0.25%引き上げて2.25%としている。

また評価が低いとされる通貨リンギの為替水準については、年末までに1米ドル=3.00リンギまで上昇すると予想。リンギの対米ドル・レートは今年に入って7.4%上昇している。