リコーは石英ガラス上に微細な凹凸形状を加工して従来品比で100倍以上の耐久性を備える反射防止機能付き光学素子を開発した。レーザー加工機の光源から照射された光の損失を抑えるのが主な用途で、従来の薄膜コーティング方式は高出力レーザーに対して光吸収による発熱や性能劣化が問題だった。今回の製品化で、より高出力で微細加工できるレーザー加工機の開発が可能になる。12日からサンプル出荷を始める。価格は10万5000円からで、年産1000個を計画する。
レーザー加工機では光源から照射した光を繰り返し波長変換して、よりエネルギーの強い光にする。この波長変換素子は防塵(じん)などのため封止するが、光の通り道としてその両面に反射防止機能付きの光学素子を設置している。
今回、リコーは世界シェア首位の液晶プロジェクター用マイクロレンズの製造技術を応用して、ガラスへの微細な凹凸加工が成功した。
日刊工業新聞
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