シンガポールのビジネス・インテリジェンス(BI)ソフトウエア市場は今年、8.4%拡大し3,200万米ドル(約29億3,000万円)規模になる見通しだ。
市場調査の米IDCのシャロン・タン氏によると、日本を除くアジア太平洋地域のBIソフト市場は昨年下期以降、拡大に転じており、今年は20.5%の拡大が予想される。
世界的不況に直面し、既存の情報システムは意思決定に必要な信頼できる正確な情報を提供できない、ということに多くの人が気付き、また経済の回復もあいまって、昨年下期からBIソフトの導入が増加したという。
BIソフトは財務、販売、生産などの企業活動で収集したデータを基に、解析を加えた上で、事業戦略の立案に役立てるソフトで、顧客情報管理(CRM)ソフトなどと連携して使う。法令順守を強く求められる業種で採用率が高い。
域内同様、シンガポールでも2008年下期からBIソフトの導入は低迷した。不況の影響を受けない企業も導入を控える動きに出た。この時期、導入に積極的だったのは金融機関と公共セクター。
シンガポールでのBIソフトの普及率はまだ低い。BIソフトを提供しているのは、IBM、マイクロソフト、オラクル、SAS、独SAPなど。企業がソフト導入で最も優先しているのはコストだった。
キー・リサーチ トップへ