2010年5月13日木曜日

デジカメ各社、業績改善続く 今期、カシオなど黒字化

 精密・電機各社のデジタルカメラ部門の2010年度の業績は市場拡大を追い風に業績が改善しそうだ。収益性の高い一眼カメラに強いキヤノンが前期比22%の増益を見込むほか、富士フイルムホールディングスやカシオ計算機など3社が黒字転換する。ただコンパクトカメラを中心に低価格化が進み、下位メーカーの利益率は低迷しそうだ。

 キヤノンの2010年12月期の一眼カメラの販売台数は11%増の490万台を見込む。高いブランド力を背景に販売単価を維持し、デジカメを中心とするコンシューマ部門の営業利益率は16%を超える。

 一眼カメラ2強のニコンは円高と価格下落リスクを慎重に織り込み、11年3月期の部門営業利益は前期並みの520億円を予想する。主力の一眼カメラの拡販で利益率は9%を確保する。

 コンパクトカメラ主体の富士フイルムやカシオ、HOYAのペンタックス部門は今期、営業損益が黒字化する。海外を中心に販売台数を伸ばすが、利益水準はカシオで数億円の黒字にとどまる見通し。オリンパスは新規格の一眼カメラの拡販に力を入れるが、主力のコンパクトカメラは厳しい価格競争が続き利益率は3%にとどまりそうだ。

日経新聞
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