2011年3月4日金曜日

エプソン、フィリピンに新工場 プリンター生産力2倍に

 セイコーエプソンは3日、フィリピンにプリンターとプロジェクターの新工場を建設すると発表した。2012年度までに約90億円を投資し、インクジェットプリンターの生産能力を約2倍に引き上げる。新工場では新たにプロジェクターの生産も始め、新興国や学校向けなど教育関連市場の需要増に備える。

 新工場はフィリピンにある同社プリンター工場に隣接して建設し、11年10月の稼働開始を目指す。フィリピン工場でのプリンターの生産能力は現在、年間約270万台で12年度までに約600万台に増やす。新たに生産するプロジェクターも、12年度までに生産能力を100万台にする。

 新工場の建物面積は約3万8000平方メートル。既存工場と合わせた総面積は約7万4000平方メートルとなる。新工場の稼働に伴い、従業員も拡充する。12年度までに2300人を増員し、6000人体制とする。

 同社はインドネシアのプリンター工場も増設し11年1月から順次、設備を増強している。プリンターは中国の既存工場も含めた全社能力を2200万台にする目標を掲げており、フィリピン工場の増強で目標規模の生産体制を整える。

 プロジェクターは現在、中国の深セン市で生産しているが、教育関連市場など世界的な需要増を見込みフィリピン工場での生産を始める。プロジェクターは12年度以降、フィリピン工場でさらに100万台の生産増強も検討している。

日経新聞