2009年10月5日月曜日

中国:国家が8月の経済指標を発表-中国経済の回復は中小企業の発展が鍵

中国国家関連機関から8月期の経済統計データが発表され、それによると8月の消費者価格指数(CPI)は昨年同期を1.2%下回り、連続7ヵ月のマイナスとなった。ところが一定規模以上の鉱工業生産は12.3%増、1月から8月期の都市部の固定資産投資額は33%拡大し、マクロ経済指標としては景気回復を裏付ける内容となった。しかし温家宝首相は世界経済フォーラムの講演で、回復が依然ぜい弱なため、積極的な財政政策と緩和的金融政策を続けると表明した。9月22日には中国政府が中小企業の発展促進に関する意見文書を発表し、さまざまな政策措置による支援策が具体化されている。
これまでに打ち出されている4兆元規模の景気対策資金及び銀行からの7兆3,700億元の融資金の大部分がインフラ事業や自動車、鉄鋼、紡織、電子などの十大産業に流れている。これらの資金は短期的に経済発展を促進させるものの長期的視野では過度の投資による工業生産能力過剰の問題が懸念され、インフラ支出が十分な雇用を創出することは考えにくい。さらに、大量の銀行融資金が国有企業に流れ込んでいる。このような状況において、経済バランスの均衡と継続的な経済発展を維持するために、中国国民の経済と社会の発展の主力となる中小企業の活動が注目されており、私営企業が国内消費刺激による経済再生への鍵となるとされている。
(*2008年末時点の中国の中小企業が企業総数に占める割合は99%以上で、その製品サービス生産高の国内総生産に占める割合は60%前後、納税額は国の税収総額の50%を占め、都市部の雇用の75%以上を提供している。)
2010年1月1日から2010年12月31日の期間、当年の年間所得税納付額が3万元未満の小規模企業についてその所得の50%が所得税課税対象とされ、その所得税率は20%に引き下げられる。国家ではさらに、中小企業の技術の進歩と構造調整を加速させ、中小企業の国内外市場開拓を支援するための措置を講じるとともに、中小企業向けサービスの改善に努力するとし新しい支援措置を発表した。

(「新たな支援措置」の詳細はキー・リサーチ発行の「中国OA・事務機器業界ニュースレター2009年10月号 の特集記事に掲載)
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