2010年3月24日水曜日

グーグル、検閲問題で中国から事実上撤退。検索サービスは香港で継続

  米グーグルは3月22日、同社の公式 ブログ上で、中国本土の検索サービスからの事実上の撤退を表明した。今まで、検索サービス、ニュースなどが提供されていた「google.cn」へのアク セスは、今後、香港の「google.com.hk」に転送され、そこでは、検閲なしの検索サービスなどが、簡体字で提供される。但し、同社としては、中 国が、同国内からの香港「google.com.hk」へのアクセスを、いつでもブロックできることは承知しているという。

  同社は、 今年1月に、中国の人権問題活動家のGメールに関して、同社のサイトが中国からの激しいサイバー攻撃を受けたことを説明。同社はこれを期に、中国当局から の要請で続けていた、一部検索結果に対する検閲の中止するとして、中国当局と協議を行っていた。

  しかし、中国当局は、中国で事業を継 続する以上、中国の法律や制度に従うべきとして、自主検閲を要求する態度を崩さず、同社としては、中国での「google.cn」の検閲を継続できないと 判断し、今回の決定に至ったとしている。

  なお、中国がいつでも、同国内からの香港「google.com.hk」へのアクセスをブ ロックできることから、同社は、現在、どのサービスが中国国内から利用できるかを示すサイトを新たに開設し、毎日更新するとしている。また、検索サービス 撤退後も、研究・開発部門と営業部門は中国国内に維持するとしている。

  グーグルの声明は、最後に、今回の決定は米本土のグーグル幹部 の責任によって行われ、中国の従業員には責任がないことを明確にしておくと述べている。