2010年8月10日火曜日

京セラミタが香港にアジア統括会社設立

 京セラミタはアジア事業を拡充する。中国・香港にアジアの販売統括会社を新設。新会社が販売子会社や代理店に技術サポートした上で、複写機やプリンターなど事務機の運用管理受託サービスに乗り出す。アジア向けの低価格商品も増やす。欧米向けに比べて遅れていたアジア事業の拡張を急ぎ、3年後に売上高を360億円と現状の3倍に増やす。

 新会社「京セラミタアジア」の資本金は3500万香港ドル(約4億円)で、京セラミタが全額出資し9月から業務を始める。中国、インド、韓国、シンガポールなど7カ国・地域の販売子会社を統括し、マーケティングなどを支援する。新会社は20人でスタートし、2年内に50人に増やす。

 新会社を核に、「マネージド・プリント・サービス(MPS)」と呼ぶ事務機の運用管理受託をアジアで始める。オフィスでの機器の最適な配置の提案や印刷関連コストの集計などを提供するサービスで、新会社は販社に同サービスのコンサルティングができる人材の育成を担う。

 同時に既存の最低価格品より3割程度安くしたアジア向け商品を年内に投入。アジアで売れ筋のA4プリンター・複写機などを順次増やす。

 京セラミタの売上高は欧州向けが約50%、米国向けが25%、日本向けが約20%。アジア向けは5%程度にとどまっていた。体制の強化とアジア向け商品の投入で、成長市場を取り込む。

 国内では企業の経費削減意欲が根強く、事務機大手各社は海外展開を強化している。富士ゼロックスはオーストラリアでMPSを展開する現地の大手企業を買収。キヤノンやリコーも投資や営業担当者の増員などに動いている。