2010年6月6日日曜日

富士フイルム、デジカメ開発集約 携帯用部品参入

 富士フイルムはデジタルカメラの開発部門を再編する。宮城県にあるデジカメ本体の開発・購買部門を7月に、レンズ開発拠点を置くさいたま市に移転する。デジカメの中核部品である光学レンズの開発と、画像センサー開発や本体設計を密接に連携させる体制を整え、製品の競争力強化につなげる。開発機能の一体化などを契機に、携帯電話用カメラモジュール(複合部品)事業にも参入する。

 現在、レンズの開発・生産は全額出資子会社のフジノン(さいたま市)が担い、デジカメ本体の製品開発、購買、品質保証の本拠は宮城県大和町にある。既にフジノンを7月1日付で本体に統合することを決めており、同時にデジカメの開発機能を集約する。レンズ設計にデジカメ開発部門が深く関与するなど、技術者間の連携を深め、開発効率を向上させる。

 子会社の富士フイルムデジタルテクノ(宮城県大和町)が手がける生産技術開発やアフターサービスは業務を継続する。カメラ用画像センサーの組み立て生産は2011年6月で終え、外部への生産委託に切り替える方針だ。

 レンズ技術と画像技術の開発を一体運営する体制が整うのを契機に、携帯電話用カメラモジュールを新規事業として立ち上げる。従来、フジノンは携帯電話用のレンズを開発・生産していたが、画像処理部品を組み合わせたモジュールは手がけていなかった。

 携帯電話のカメラ機能も高画質化が進んでおり、デジカメで蓄積してきた開発ノウハウを生かせると判断した。既に複数の携帯電話メーカーと商談を進めており、年内の採用を目指す。

日経新聞
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