2010年6月20日日曜日

クラウドサービス仲介事業に参入 伊藤忠が専用サイト

 伊藤忠商事は7月、インターネット経由で情報システムを貸し出す「クラウドコンピューティング」の仲介事業に参入する。顧客や与信、人材管理など法人に有用な各種クラウドサービスを日米欧を中心に集め、サービス会社と契約。新たに立ち上げる専用サイトで一括して紹介し、企業などに仲介する。クラウドサービスの需要は世界的に伸びており、日本を皮切りに中国などアジアでも事業を展開、2015年に100億円の売り上げを目指す。

 多数のクラウドサービスを一体的に扱うサイトの運営は商社では初めて。新サイトでは、顧客は「契約管理」「個人情報保護」などメニュー別にサービスを検索できる。サイト上に加え、伊藤忠の情報システム関連の国内販売代理店を通じても仲介を受けられる。伊藤忠はサービス会社から手数料を得る。

 サイトは7月の立ち上げ当初は約10のサービスを集めて立ち上げ、その後、サービス数を拡充。15年には500のサービスを集める目標だ。今年度内に、国内向けに続き、中国やインド、シンガポールなど向けのサイトも立ち上げ、事業を展開する。

 国内では大企業に加え、中小でも業務コストを削減できるクラウドサービスのニーズは高まっている。ただ欧米のサービスはサイト上での言語や、料金徴収の仕組みなどが国内と異なるため、利用に踏み切れない企業も多いという。伊藤忠は日本語サイトを用意するほか、サービス会社への顧客の支払い代行などの支援も手がけ、中小での利用も増やす考え。

 今後、国内でのクラウドサービスの普及にあわせ、子会社の伊藤忠テクノソリューションズが保有するデータセンター能力を海外のサービス会社に貸し出すことも検討する。

日経新聞
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