2010年9月28日火曜日

中国、通関手続き厳格化 輸出入遅れに懸念

中国の税関当局が、レアアース(希土類)の対日輸出だけでなく、一般の貨物の輸出入の通関検査を厳しくしている。書類検査でなく抜き取って梱包を開ける検査の比率を大幅に引き上げたことで、通関手続きが手間取り、貨物の輸出入に遅れが出てきた。休暇シーズンで現時点では影響は限定的だが、日本企業は長期化を懸念している。
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 「完成車メーカーには迷惑をかけられない。すぐに日本の工場から部品を輸入するように指示した」。日系自動車部品メーカー幹部は明かす。27日までに通関が完了する予定だった自動車部品が港で検査待ちの状態。今後は早めに発注する。

 日本通運によると、通常は抜き取り検査の日本向け航空貨物の一部が21~24日に全量検査となった。25日から抜き取り検査に戻ったが、現在でも検査が完了していない荷物が残る。海運貨物は抜き取り検査の比率が上がったという。

 近鉄エクスプレスによると各税関当局によって対応は違うが、日本向けの航空貨物について通常は10%程度の抜き取り検査の割合を5割以上に引き上げたもよう。一部荷物が予定通りの航空機で送れない例も出ている。

日経新聞
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