2012年3月21日水曜日

富士ゼロックス、顧客情報を迅速に把握 災害対応を強化

富士ゼロックスは災害が起きた際に、顧客の事務機を迅速に修理できる社内情報システムを年内に構築する。被災した地域に顧客がどの程度いるかや、部品がどの製品に使われているかなどのデータを素早く検索できるようにする。東日本大震災の経験を事業継続計画(BCP)の改善につなげる。

 東日本大震災では事務機を販売している取引先254カ所が被災した。被害実態を把握し、修理や部品の手配などの対策を講じるまでに7週間を要した。このため社内の複数部署に分散していた6つのシステムを接続し、情報を相互にやり取りできるように改良する。

 昨年10月までに、部品の1次調達先(約200社)を網羅したシステムをまず構築した。昨年10月に発生したタイの洪水の際にも部品不足などが生じたが、被害の把握から対策をまとめるまでの期間が3週間に短縮できたという。

 今後は取引先の緯度・経度のデータを取り込んで図示する機能を付け加え、災害発生時の影響を把握しやすくする。また年内をめどに調達先情報を2次・3次の調達先にまで拡大し、使い勝手を高める計画だ。

 システムはすべて自社で内製するため、費用は1000万円以内に抑えられるという。新システムの構築により、事務機の保守運営やトナーをはじめとする消耗品販売などのアフターサービスもやりやすくなる。

日経新聞