2010年10月28日木曜日

キヤノン、純利益86%増に修正 10年12月期(注目の決算) 7~9月86%増益 新興国で好調

 キヤノンは27日、2010年12月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比86%増の2450億円になりそうだと発表した。従来予想を50億円上回る。デジタル一眼レフカメラやレーザープリンターの販売が中国など新興国で好調に推移しているため。10~12月期の為替レートを従来計画より10円円高の1ドル=80円に見直したが、生産効率化などで円高による採算悪化を吸収する。

 田中稔三副社長は同日の1~9月期の決算発表で、「今期を反転攻勢の年と位置付けたが、この目標を着実に達成している」と語った。販売増とコスト改善が想定以上に進み、今期の営業利益は80%増の3900億円と従来予想を300億円上回る見通し。

 10~12月期の為替レートの見直しで、今期は計画より300億円の減益要因が発生する。ただ販売増などで、100億円近い利益を上積みする。さらに生産性の向上などにより、約500億円のコストを追加で減らす。

 今期の売上高は前期比16%増の3兆7100億円の見通し。レーザープリンターなどオフィス事業は欧米向けも上向き2割の増収。カメラなど消費者向け製品を扱う事業の売上高も7%伸びる。

 10年7~9月期の売上高は前年同期比18%増の9131億円、純利益は86%増の681億円だった。

日経新聞
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