2010年10月29日金曜日

エプソン11年3月期、最終黒字100億円 情報機器伸びる

 セイコーエプソンは 29日、2011年3月期の連結最終損益が100億円の黒字(前期は197億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想は損益ゼロ。インクジェットプリンターなど主力の情報機器が伸びる。下期の想定為替レートを1ドル=80円と5円円高に見直したが、好採算製品の売上比率を引き上げ、経費削減で吸収する。

 会見した久保田健二常務は「欧米での製品需要は依然として底堅い」と述べ、先行きに自信を示した。想定レートの見直しで140億円の営業減益要因が発生するが、コスト削減(100億円)や販売数の増加など(120億円)で吸収する。

 特に情報機器の販売が好調で、同部門の営業利益は従来予想を50億円上回る見通し。日米やアジアではインクジェットプリンター、米国では好採算の教育向けプロジェクターが伸びる。

 同日発表した10年7~9月期連結決算の最終損益は5億円弱の赤字。68億円の赤字だった前年同期から大幅に改善したが、4~6月期実績(79億円の黒字)より悪化した。7~9月期は「年末商戦に備えた製品の生産で固定費が膨らむため」(久保田常務)で、季節要因が大きいようだ。

日経新聞