2010年10月24日日曜日

パナソニック組織再編、重複事業の解消課題に

 パナソニックは2012年1月をめどにグループの組織を抜本的に再編する。現在16ある事業部門を9部門程度に集約して、環境エネルギー関連分野への経営資源の集中を狙う。子会社の三洋電機のモーターなどの不採算事業の撤退や売却などを通じ、グループ内の重複事業を整理していくことが課題になる。

 パナソニックは11年4月に三洋とパナソニック電工を完全子会社化し、その後、3社で事業を抜本的に再編し競争力を高める。三洋は今年に入り物流子会社を売却し、半導体事業も米国メーカーに売ることを決めたが、不採算のモーター事業も組織再編の前に売却する必要に迫られる。

 家電事業では12年春にブランドをパナソニックに統一する。家庭用エアコンなど三洋の競争力の弱い製品は開発・生産から撤退する方針だ。組織再編の過程で閉鎖する拠点の従業員の配転も今後の課題になる。

 パナソニックは省エネ家電や空調設備、太陽電池やリチウムイオン電池などの環境エネルギー分野の製品を一括供給する「まるごと」事業を強化する方針だ。次世代送電網(スマートグリッド)では制御技術で日立製作所と提携するなど、目標に必要な経営資源を見極めながら、グループ再編や提携戦略を急ぐ。

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