キヤノンは16日、プリンタ欧州大手のオランダ・オセ社を公開買い付け(TOB)で買収し、連結子会社化すると発表した。買収額は7億3000万ユーロ(約980億円)。キヤノンのM&A(合併・買収)では過去最大。大型印刷機の分野において欧米で高いシェアを持つオセを傘下に収め、プリンタの世界最大手を目指す。
買収について、オセの経営陣からは全会一致で賛同を得ている。TOB価格は1株あたり8.6ユーロ。7億3000万ユーロで全株の取得を目指す。これとは別にオセの優先株式にかかわる預託償還を6500万ユーロ(約87億円)で取得し、必要に応じてオセの有利子負債のリファイナンスを実施する。各国の独占禁止法当局による認可を条件に来年1─3月に公開買い付けを開始する予定。
オセは、売り上げの4割を占める米国のほか、ドイツ、イギリス、フランス、オランダなどで世界100カ国以上で事業展開し、30以上の国で販売・サービス網を持つ。カタログやダイレクトメール用のデジタル印刷機や屋外の広告用大判プリンタに強みがある。買収後もオセは、オランダ・フェンロー市に本社を置いて事業を継続する。キヤノンは、日米欧の三極の研究開発体制を整える。
キヤノンによるリリース記事
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参照記事2
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