2011年2月3日木曜日

リコー、純利益38%減 10~12月、円高など響く

 リコーが2日に発表した2010年10~12月期連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比38%減の78億円だった。為替相場の円高や新製品販売のずれ込みなどで社内計画に届かなかった。ただ、直近四半期(7~9月期)比では5割強の増益となっており、回復基調は続いている。11年3月期見通しは従来予想を据え置いた。

 10~12月期の営業利益は33%減の159億円だった。前年同期に比べて対ドルで7円、ユーロで20円の円高が進み100億円程度の減益要因が発生。採算性の高いカラー複写機の堅調やコスト削減で吸収できなかった。売上高は4%減の4681億円だった。

 社内計画に対しては、日本や欧州でプリンターや複写機の販売が下回り、単価も下落。複写機など新製品の投入効果も11年1~3月期にずれ込んだ。このため「売上高は計画より250億円ほど不足した」(三浦善司取締役)という。

 4~12月期の純利益は203億円と41%増えた。事務機でカラー機や商業印刷用が堅調。原価低減や研究開発費の減少などコスト削減も収益を押し上げた。11年3月期の業績見通しについて、三浦取締役は「新製品販売の強化と一段の合理化で計画(純利益で前期比26%増の350億円)を達成する」と語った。

日経新聞