2010年4月13日火曜日

アジアのGDP、10年は7.5%成長 アジア開銀予測

 アジア開発銀行(ADB)は13日、アジア地域(日本など域内先進国除く)の2010年の実質国内総生産(GDP)が前年比7.5%成長するとの見通しを発表した。昨年12月の見通しに続き、今回は0.9ポイント上方修正した。景気刺激策の効果が持続するうえ先進国向けの輸出も回復、けん引役の中国とインドの伸びは9.6%、8.2%に加速するとみている。

 アジアの成長率が7%を上回れば、08年の経済危機以前の水準に回復することになる。中国などが打ち出した積極的な景気刺激策が下支えするほか、日米欧が昨年のマイナスからプラス成長に転じるのに伴い、アジアの輸出が14.4%伸びるのも寄与するとみている。

 中国の今年の成長率は昨年12月の見通しを0.7ポイント引き上げ9.6%とした。昨年後半から上向き始めた輸出は回復傾向が続くもようで、成長率の伸びは最も高い。韓国の成長率も輸出拡大で5.2%伸びるとみる。

 東南アジアの成長率は昨年、1.2%と低水準にとどまったが、今年は輸出持ち直しなどで5.1%に回復する見通し。資源が豊富な中央アジアは4.7%、太平洋諸国は3.7%を予測する。

 ADBは、各国とも経済政策を平時に戻す「出口戦略」を探るなか、内需の腰折れ懸念を指摘している。食料高騰も不安定要因だ。11年の成長率は景気刺激策が一巡するため、7.3%と10年より鈍化するとしている。

日経新聞
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