2010年4月16日金曜日

シンガポール第1四半期GDP、前年比13%増加

通産省は4月14日、第1四半期の国内総生産(GDP、速報値)は前年同期比13.1%増加したと発表した。これを好感し、株価指数のストレーツ・タイムズ指数は2008年以来の3,000台に達した。
 
増加をけん引したのは製造で、生産高は30%拡大。電子機器と薬品生産が増加した。建設は11.3%増で、公共工事と住宅建設事業が支えた。サービス業は8.4%の拡大で、電子機器輸出の増加を背景に卸売り取引が増加した。運輸・倉庫、ホテル・レストラン、金融・ビジネスサービスの生産高も増加した。
 
GDPは前期比では32.1%増加した。うち製造は139%の増加だった。サービスは11%増で、建設は横ばい。
 
現状分析で通産省は、国際貿易が増加しており、世界経済の見通しは改善したと指摘。工業先進国や途上国の鉱工業生産が引き続き拡大していると述べた。
 
さらに、米国の雇用動向が3月に入り改善し、個人消費の回復が見込めると分析。中国の電子製品、一次産品需要を背景にアジアも堅調な経済成長が見込めるとし、通年のシンガポールのGDP成長率予想を4.5~6.5%から7.0~9.0%へ上方修正した。
 
同時に、消費者物価指数(CPI)上昇率予想も、2.0~3.0%から2.5~3.5%へ上方修正した。
OCBC銀行のエコノミストは、景気改善を受け全国賃金審議会(NWC)は今月開く会合で、賃金カットの撤廃と賞与調整を勧告する、との予想を示した。

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第1四半期GDP統計を受け多くのエコノミストが通年の成長率予想を上方修正したが、スタンダード・チャータードのアルビン・リュー氏は6.5%と低めの予想で、「外需は回復しつつあるものの、迫力は見込めない」との慎重姿勢を示した。


訪米中のリー・シェンロン首相はGDP統計について、「1年前には、誰もこれほどの急速で大幅な改善を予想しなかったと思う」とコメントした。