2011年5月27日金曜日

リコー、東北に110億円投資 新型トナー増産

 リコーは26日、トナー製造の東北リコー(宮城県柴田町)に2011年度、110億円を投じて生産設備を増強することを明らかにした。東北リコーは「重合型」と呼ぶ色合いの優れた新型トナー生産を手掛けており、カラー複合機での需要が高まっていることを受けて増産に乗り出す。

 同日発表した中期経営計画では、日米欧を中心に今後3年間でグループ全体の1割近くにあたる1万人の従業員を削減することを盛り込んだ。一方で成長領域を伸ばして売上高や営業利益も増やす構え。東北リコーへの投資もその一環になる。

 リコーは米国でM&A(合併・買収)を進めた結果、人員規模が過剰になった。コニカミノルタホールディングスなどの同業他社より従業員1人あたり売上高や利益率などの水準が低く、周回遅れのリストラに乗り出す格好だ。2014年3月期の連結営業利益を2100億円以上と、11年3月期に比べて3.5倍以上に高める計画。

 26日のリコーの株価は一時、前日比63円(7.4%)高の913円に急騰。「思い切ったリストラで収益改善への期待が高まっている」(国内大手証券)ことから、終値も4.1%高と日経平均株価(1.5%高)を上回った。

日経新聞