2011年8月12日金曜日

キヤノン、自社株買い500億円 M&Aに備え今年2度目

 キヤノンは11日、500億円を上限に自社株買いをすると発表した。自社株買いは今年2回目で、積極姿勢が目立つ。同社は東日本大震災の影響が想定より少なく、7月に2011年12月期業績を上方修正した。業績回復で1~6月期配当も増やしており、豊富な手元資金を生かして株主配分を強める。

 自社株買いの期間は12日から9月16日まで。上限は1500万株で、発行済み株式総数の1.2%に当たる。中期経営計画で医療分野などのM&A(合併・買収)を打ち出しており、株式交換によるM&Aに備える狙いもある。

 キヤノンは07年に4500億円、08年に1000億円の自社株買いを実施。金融危機後の09年に手元資金の確保を優先して見送ったのを除き、継続して取り組んでいる。今年6月末の現預金は8486億円と1年前より1割多く、今後も株式市場の動向などをにらんで実施する可能性が大きい。

日経新聞