2010年5月13日木曜日

王子製紙の11年3月期、営業益5%減 原燃料高で

 王子製紙の2011年3月期の連結営業利益は前期推定比5%減の700億円程度になる公算が大きい。古紙や原油など原燃料価格の上昇が収益を圧迫。販売数量の持ち直しやコスト削減などでは補いきれない。10年3月期は前の期比で大幅な増益だったが、今期は一転、減益になりそうだ。

 紙は古紙や木材チップが原料で、生産設備の稼働には重油や石炭が使われている。原油価格は10年3月期は1バレル67ドルだったが、足元では80ドル前後で推移しており、年20億円程度のコスト増要因になりそう。また、古紙価格は4月から1キログラムあたり2円上昇しており、年80億円程度の利益圧迫要因になる。

 石炭や木材チップ、薬品などの価格上昇もあわせると、原燃料価格は年200億円弱の利益圧迫要因になりそうだ。

 一方で、紙の需要は緩やかではあるものの回復しており、販売数量は10年3月期より1%程度の増加は見込めそう。生産設備の一部停止に伴う減価償却費や修繕費の減少、生産効率化などなどのコスト削減も進みそうだ。ただ、原燃料価格の上昇による減益は補いきれないもようだ。

日経新聞
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