2010年5月14日金曜日

大日本印刷の10年3月期、最終黒字232億円 液晶部材が回復

 大日本印刷が14日発表した2010年3月期の連結決算は、最終損益が232億円の黒字(前の期は209億円の赤字)だった。液晶パネルの需要回復を受け、反射防止フィルムやカラーフィルターの生産が拡大。半導体の回路原版となるフォトマスクも先端品を中心に需要が回復した。532億円のコスト削減も利益を押し上げた。

 連結売上高は前の期並みの1兆5833億円、営業利益は44%増の665億円だった。

 業績回復のけん引役は液晶部材だ。カラーフィルターは昨年9月以降、すべてのサイズで高稼働率を維持し、同10月に稼働した大阪・堺市の新工場はフル生産の状態。年間の販売額は15%も増えた。反射防止フィルムの売り上げも43%増と好調だった。

 本業の印刷など情報コミュニケーション部門は落ち込んだ。チラシや書籍の印刷需要が低迷。CHIグループなど書店子会社の業績も苦戦し、同部門の営業利益は26%減となった。

 11年3月期も「液晶部材の勢いは続く」(山田雅義副社長)と見ており、売上高が前期比4%増の1兆6400億円、純利益は40%増の 325億円となる見通しだ。

日経新聞
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