2009年10月28日水曜日

リコー、2009年度上期決算は減収減益も、利益は7月公表値を上回る

事務機器大手のリコーは10月27日、2009年度上期連結決算を発表した。売上高が前年同期比7.2%減の9887億円、営業利益が同78.5%減の139億円、税引前利益は88.5%減の67億円、最終利益が同94.7%減の18億円となった。円高の影響を受けたものの、複合機などの販売、サービス会社の米アイコンを買収したことで海外での販売機会が増え、プラス材料もあるという。コスト削減により、前回7月に発表した中間期の予想値より増益となった。

プロダクトプリンティング分野においては、Pro1107などの新製品を国内外で投入。ここを期待の分野とする一方、プリンタでは国内外でA4サイズプリンタを投入。MFPではカラーリサイクル機を初めて日本で投入するなどの取り組みを行ったほか、タイにおける生産拠点であるRicoh Manufacturing Thailandを9月から操業。欧州では、マネージド・プリンティング・サービス(MPS)による大手顧客の獲得、北米で展開していた文書管理アプリケーションである「Ridoc GlobalScan」を9月から全世界に展開。日本においては、日本IBMと今年7月からクラウドコンピューティングで協業を発表するなどのトピックスがあったという。

 海外では、米州において景気低迷や為替の影響を受けたものの、前年度に実施したM&Aによる販売体制の強化や、販売チャネルの拡大などが市場の縮小をカバーし、前年同期比28.9%増となる2821億円。為替の影響を除くと43.5%増という大幅な伸び。だが、営業損失はマイナス83億円の赤字と、前年の52億円の赤字から増加した。

 欧州では、売上高が20.8%減の2283億円、営業利益が42.3%減の116億円、中華圏・アジアなどのその他地域では売上高が19.5%減の1189億円、営業利益が28.0%減の59億円となった。

 画像ソリューションは、米州におけるM&Aによる販売体制の強化が寄与し、PPCおよびMFPを中心に売り上げが増加。MFPの伸び率は、前年同期比2%増、そのうちハードは8%減、ノンハードは11%増。プリンタの伸び率は3%減、そのうちハードが6%減、ノンハードが2%減。カラー化率はMFPで55%、プリンタで27%になったという。

 ネットワークシステムソリューションでは、米国の直販体制の強化が寄与したほか、ITサービスやソリューションも貢献しているという。

 一方、産業分野は、売上高は24.5%減の512億円、営業損失は前年同期の7億円の黒字から、マイナス7億円の赤字。半導体事業、サーマル事業および電装ユニット事業の売り上げが国内外ともに減少した。

 その他分野の売上高は、20.2%減の624億円、営業損失は前年同期の15億円の黒字から、10億円の赤字となった。デジタルカメラの売り上げが国内外ともに減少したという。その他分野では、昨年度第3四半期から赤字が続いている。

 デジタルカメラでは、GR Digital IIIに加えて、CX2を投入。「デジタルカメラそのものは大変評判がいいが、売り上げにはなかなか結びつかない」(同社取締役専務執行役員の三浦善司氏のコメント)

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